機体名:後星(アルデバラン)

幅:250[mm]

全長:300[mm] 

高さ:280[mm]

重量:3490[g]

腕機構:四節スライダ機構...?

足機構:スライダーヘッケン

 

 

大会成績

かわさきロボット競技大会バトルロボット部門出場

予選トーナメント本選

第一試合敗退

予選トーナメント敗者復活戦                  

第一試合勝利

第二試合敗退

 

機体解説

・後星という名前について.

後星はアルデバランという星の和名.

 アルデバランは,゛あとを継ぐもの゛という意味があり,前機体ハネツキギョーザのあとをついで欲しいという大真面目な気持ちでつけました. 結果は全然ダメでしたが...orz

 

・腕機構

 腕はKHK歯車工房さんのバクハイボールという機体のアームを参考に設計したつもりでしたがそれを真似したとは思えないものになってしまいました.

 ・失敗の原因

1. 減速機のバックラッシを間違えて設計してたこと

バックラッシはモジュール×0.1だからモジュール0.5のギヤ使うなら0.05!

と思い設計しましたが,そもそも精研のNCの精度は0.1[mm]くらいで0.05[mm]は精度がでないという...3年にもなって恥ずかしいミスをやらかしました.

結果歯車どうしがちがちに噛んでピニオンの圧入が外れ,モータ3つのはずが最後には1つになっていました.

2. 減速比が大きすぎた

 モータ同士の干渉を考えておらず,減速比が512:1に!ものすごい遅かった...

 他にも片持ちにしてしまい上手く動かなかったなど思い返すときりがないです.

 

・減速機について

 アームの減速機としてサイクロ減速機を製作しました.

 去年の学発で理科大の方に見せていただいて,動きがすごく面白くて自分も作ってみたいと思って作りました.

 サイクロ減速機は下図青色の曲線版が減速機自体の中心から少し偏心した軸に取り付けられることにより,入力軸を回すと曲線版が外側のローラ(下図水色)にあたりゆっくり自転し減速します.その減速された回転を下図黄緑色のローラとその外側の円で平行リンクを作ることにより入力軸と同じ位置に出力軸を持ってきています.

サイクロ減速機の図

 

 つまり,サイクロ減速機は入力軸と出力軸を一直線上に配置することができ,省スペース化ができる!これがサイクロ減速機の利点その1です.また何段も重ねることにより大きな減速比を得ることができ(利点その2),さらにギヤの一点接触と違い,複数点で接触しているので丈夫で伝達率も良い(利点その3、4)、おまけに動き方がすごくかわいい!と良いところがいっぱいの減速機です!   

ちゃんと作れれば...

 まず曲線版の形はサイクロ減速機を見せていただいた理科大の方から教えてもらったプログラムで計算してdxfファイルに出力し、それを使って設計しています.自分の力では絶対できませんでした...他大なのにいろいろ情報を教えていただいて理科大の方にはとても感謝しています!

 また,偏心した軸を使うので振動が気になるのと,そもそも偏心軸を作るのが大変でした.

 今回は偏心した軸と中心の出ている軸を四角柱で貫いて作りましたが,それだとどうしてもサイズが大きくなってしまい,結局大きさは70×70くらいになってしまいました.

 

現在小型化に挑戦中ですが,小型にしようとすればするほど当然ですが軸のはめあいの精度や部品同士の平行度がシビアになり苦戦しています.(苦笑

 ちゃんと使えるものが作れるよう頑張りたいと思います.

 

・足機構について

 足は一つ上の先輩から教えていただいたスライダーヘッケン機構を使用しています.

 かわロボ大会でもよく見るサーキュラーヘッケンと違う点は,サーキュラーヘッケンが

“クランク軸からずれた位置に中心を持つ円の一部”をスライダー溝として使っているのに対し,この足ではクランク軸を原点にとった三角関数を使用していることです.

なんで三角関数なのか?...自分にはちょっとよくわかりません←

でも足に使う溝の条件は,クランク直径d[mm],溝の全角a[°],クランク中心からシャフトスペーサまでの距離をl[mm],溝の関数をf(θ)として(下図参照)

1. 0<a<180[°]

2.  かつ  

3.  

※ D Dd          ♄ⅧƆƆ                D D

数式とかでて小難しい感じになってしまいましたが,この条件を満たす関数として三角関数はすごく使いやすいということです.

ここからは今回自分が作り方について改良したこと.

まず教えてもらった時の課題として,溝の形を作るのに計算した点を手動でプロットしていたことがありました.手動だとどうしてもサンプリング点数が少なくなってしまい,それらをスプライン曲線でつなげてもあまり精度が出ません.

 そこで,先ほどのサイクロ減速機の曲線版の形を出力するプログラムです.

 中身を見てみると命令されたようにdxfファイルに出力するプログラムと曲線版の形を計算するプログラムにわかれていることがわかりました.

 これを使えば溝の形もPCに計算させてdxfファイルに出力できるから,楽にサンプリング点数が増やせる!...と思ったのですがこのプログラムpythonというやつで自分は初めて見たやつでした...授業でやったC言語と似ているようなとこもあるけどようわからんからできればやりたくないなと思いましたがほかの方法が思いつかなかったので,曲線版のプログラムを真似したり学校で本を借りたりしてどうにか溝の形を計算し,それを出力するプログラムを作り上げました.

 溝の形を出力できるんだから,与えられた範囲内で常に接地しているような足の形も計算して出力させられるんじゃない?調子に乗った自分は思ってしまいました.

 かわロボで使う足は3枚1組だからクランク円の120°以上の範囲で接地してれば足の振動は理論上なくなります.だからそんな足の形まで計算して出力できたらとても便利なんです.

 でもこの足の形をどう計算すればいいのか考えるのが大変でした.

 結局スライダー足やヘッケン足の設計でお世話になるlinksの足の形を計算する考え方を参考に,パーツの回転中心から放射線状に伸ばした直線がクランクを一周するときに地面と交わる一番短い距離を求めるのを直線を変えながら何回も繰り返し,最後それらを極座標から直交座標に変換してスプライン曲線でつなげる.という方法で作りました.

 文章で書くとなんだかわかりづらいですね.スイマセンm(_ _)m

 この計算,場合分けとかいろいろ考えなきゃいけないことがあって,出来たと思って実行したら足の形が無限遠に伸びてたりいろいろしんどかったです...(白目

 でもその分完成して,cad上上手くいってそうだとわかったときはとても嬉しかったです.

 ちなみに,今回設計した足の形を出力するのにPCにさせた繰り返し計算の回数は9万回

 以上!プログラムを走らせるとPCがうなります.とても人の手ではできませんね.(笑


 ではこの足上手く動いたのか?―残念ながら良くわからないというのが現状です.

 大会前に歩くようになったときは振動もほとんどなく調子よく見えましたが,大会ではなぜかロックしてしまい前に進めなくなりました.(バックは出来る)

 だから敗者復活戦では後ろから入場して「後星って名前のとおり後ろから入るのか!」とか言われちゃいました...

それでも1勝できて操縦者のKMTさんすごいなと思いました.

ロックした原因は動力伝達部分などほかのところで良くない設計をしすぎて何が原因なのかわからないです.(白目

足が上手く動くか確認できるように早く作り直そうと思います.

・最後に

 今年も班員の2人をはじめ,たくさんの人に夜遅くまで作業してもらったり,手伝ってもらったりしてとても感謝しています.それでもロクに動かないような設計しかできなかったり,間違った寸法で頼んじゃったり本当に申し訳なかったです.

 早く作り直してちゃんと動いて戦える機体作ります!